M365 Copilotに悪性メール、送金情報すり替え金融詐欺
概要
2024年8月、Zenityの研究者によるレッドチーミング演習で、Microsoft 365 Copilotを悪用した金融取引詐欺が成功しました。この攻撃は、Copilotが受信メールをRetrieval Augmented Generation(RAG)データベースに取り込む特性を悪用したものです。攻撃者は、ユーザーが銀行情報を検索した際に、攻撃者の銀行情報が取得されるように細工されたコンテンツと、Copilotの検索機能を上書きするプロンプトインジェクションを含むメールを送信しました。 Copilotは、この悪意あるメールの内容を信頼できる情報源として扱い、本来の銀行情報ではなく、攻撃者の銀行情報をユーザーに提示するよう操作されました。これにより、ユーザーはCopilotの出力を信頼し、誤った銀行口座へ電信送金を実行してしまう危険性が高まります。この手口は、受信者がメールを開封しなくてもCopilotのデータベースに悪意ある情報が取り込まれ、持続的な脅威となる点が特徴です。Microsoftは、この種の脅威を特定し緩和するため、システムの改善を継続していると表明しています。
分類・事実
- 発生種別
- 事故
- AI関与度
- AI が主要因
- 主分類
- security_abuse
- 初公表日
- 2024-08-08
教訓
AIアシスタントが参照する情報源の信頼性確保が極めて重要です。特に、外部からの入力がシステム内部に取り込まれる際のセキュリティ対策を強化し、プロンプトインジェクション攻撃への堅牢な防御設計が求められます。ユーザーはAIの出力、特に金融取引に関わる情報について、常に独立した情報源で確認する習慣を身につけるべきです。
出典(引用元)
データ提供: MITRE ATLAS