AIサプライチェーン攻撃の事件・被害事例まとめ
AIサプライチェーン攻撃は、モデル・ライブラリ・拡張機能といった配布経路を汚染し、利用者の環境で不正なコードを実行させる攻撃です。当データベースには2026年8月時点で10件の事例を収録しています。
年別の内訳は2021年1件、2022年1件、2023年2件、2024年1件、2025年4件、2026年1件です。2025年に集中しているのは、AIコーディング支援ツールやAIエージェント用パッケージの利用が実務に広がった時期と重なります。
汚染される場所は大きく3つに分かれます。1つ目はモデル配布プラットフォームで、公開リポジトリ上のモデルファイル自体にマルウェアを仕込む手口です。2つ目はパッケージ管理システムで、AIエージェント向けのnpmパッケージや拡張機能に不正コードを混入させる手口です。3つ目はAIの出力そのもので、存在しないパッケージ名をAIが提案し、攻撃者が先回りしてその名前で悪性パッケージを公開する手口が確認されています。
3つ目は従来のサプライチェーン対策では想定されていなかった経路です。AIが提示した依存関係をそのまま導入する運用は、実質的に第三者に依存関係の決定権を渡しているのと同じ状態になります。収録事例のうち、開発現場に直接影響した件数が多いのはこの領域です。
10件
-
AIエージェント用npm、週1,000DL超でメール流出
メール配信サービスPostmarkのAIエージェント連携ツール「Postmark MCPサーバー」のユーザーが、サプライチェーン攻撃によりメ…
-
AIエージェントのサプライチェーン攻撃、8時間で16ユーザー被害
セキュリティ研究者が、AIエージェントClawdBot(現OpenClaw)向けのSkillレジストリ「ClawdHub」上で、悪意あるSkillを用いた…
-
Amazon Q VS Code拡張機能v1.84.0、悪性AIでシステム破壊
2025年7月、攻撃者が不適切に設定されたGitHubトークンを悪用し、Amazon Q Developer VS Code拡張機能のリポジトリに悪意あるコ…
-
AIコーディング助手バックドア攻撃、数百万開発者に被害
Pillar Securityの研究者は、AIコーディングアシスタント(Cursor、GitHub Copilotなど)を標的とした新たなサプライチェーン攻…
-
AIモデルのマルウェア2件、Hugging FaceでPicklescan検知回避
Hugging Faceのモデルリポジトリで、ReversingLabsがマルウェアを埋め込んだAIモデルを発見。ロード時にリバースシェルを実行し…
-
AIモデル1000件超、70%書き込み可能レジストリで改ざん
Trend Microの研究により、インターネット上に露出した8,000以上のプライベートコンテナレジストリが発見されました。これらの…
-
ChatGPTが偽パッケージ名提案、マルウェア実行を誘発
大規模言語モデル(LLM)であるChatGPTが、実在しないソフトウェアパッケージ名を生成する「ハルシネーション(幻覚)」を起こ…
-
LLMサプライチェーン、ハギングフェイスでモデル汚染
研究者らが「PoisonGPT」と名付けた実験で、オープンソースの大規模言語モデル(LLM)に偽情報を注入し、そのモデルを最大の公…
-
PyTorch依存関係のサプライチェーン攻撃、機密データ流出
2022年12月25日から30日にかけ、AIフレームワークPyTorchのプレリリース版「Pytorch-nightly」のLinuxパッケージが、ソフトウェ…
-
モバイルアプリのAI顔認証等54件にバックドア攻撃
Microsoft Researchの研究者たちは、モバイルアプリケーションに組み込まれている深層学習モデルがバックドア攻撃に対して脆弱…